畳の調湿機能

ジメジメした季節も畳が空気中の湿気を吸収してくれます。

畳の素材はイグサですが、これは自然素材でもありますし湿度を調整してくれる 機能を備えていることで広く知られています。 内部に空気を含んでいますので、湿度の高い日には大気中の水分を吸収しますし、 逆に乾燥している日には吸い取った水分を放出して過ごしやすくしてくれます。

日本は本州だけではなく九州や四国でも6月ごろには雨の日が続きますが、 とてもジメジメするので気分があまり優れずに調子の出ない人もいるでしょう。 ですが畳のある和室ならば余計な湿気を吸収してくれますので、いくらかは過ごし やすくしてくれますし屋外よりも快適な空間となります。 湿度が高いと服が肌に張り付くように感じられますし、じっとりとして不快な感覚 がつきまとうので物事がはかどらなくなってしまいます。 雨の日よりも晴天の方が宿題をこなす速度もアップしますし、竹かごを編む職人の 指先も数割ですが素早く動くと言われています。 ちょっと気持ち悪いな、程度の問題ではなく実際にいろいろな面で効率が悪く なったりもしますので、過剰な湿気は遠慮願いたいというのが大半の方の意見でしょう。

除湿機を稼動させれば解決はしますが、そのためにはそのマシンを購入しなければ なりませんし設置するスペースも確保しなければならず、また電気代もかかります。 ですが畳のお部屋ならば特に何もせずとも湿気を除去してくれますので、 とても経済的ですし機械に頼るよりも健康的であります。 湿気に悩まされる地域でこそこの効果は最大限に発揮されますので、あまり雨の 降らない国やたまにしか雲が流れないところでは実感できないかもしれません。 この吸収された湿気はどうなるのか、いくらなんでも無限に吸収し続けるわけでは ありませんしどこかで帳尻を合わせなければおかしなことになります。

6月に湿気が多い日本ですが、寒くなると今度は空気が乾燥するようになってきます。 秋から冬にかけて肌が荒れてしまったり喉を痛めたりする人が多いのは、 空気が急に乾燥することが原因だと言われていますし、そのせいで火事も増えてしまいます。 乾燥しすぎると体調を崩すほど人間が過ごしにくくなるわけですが、そのタイミングで畳は水分を大気中に放出してくれるのです。 あまりに広範囲の乾燥した空気を潤すことはできませんが、部屋の中くらいは充分優しく湿度を高めてくれるでしょう。 このように年間を通して、湿気の多い時期にそれを吸い取ってくれ少ない時期に放出する、 というサイクルとなっていますので、特別な操作をしなくても畳の部屋はそこそこ快適さを保ってくれるのです。 空調設備を導入していれば同じような効果は得られますが、こちらは電源のスイッチを入れなくてもいいですし 温度調整のボタンを操作する必要もありません。オートの調湿機能を備えていますので、機械音痴の方でも自室の空気をそこそこ いい感じにしてくれるでしょう。

また畳は植物から造られていますから純度の高い自然素材で、森林の香りも優しく儚げにですが常時放っています。 なので畳のある部屋にいればそれだけで森林浴に近い効果もあるらしく、リラックスした気分になれるとされています。 落ち着きのない犬でも和室に閉じ込めておけば大人しくなり、いきなり走り出すようなこともなくなって花瓶やお皿を割る粗相もしなくなるでしょう。 大人しくはなりますが決して活力を削ぐようなことにはなりませんから、犬だけではなく人間を閉じ込めてもなんの危険もありません。 むしろひとまわり成長したかのような雰囲気になるので、やんちゃな生物はどんどん和室に放り入れるといいでしょう。 湿度の調整で身体の負担を減らし、香りのリラクゼーション効果で心も休まる、これが畳の素晴らしさのひとつです。