跡が付きやすい

柔軟性のあることがデメリットも生んでしまいます。

柔らかい自然素材の畳ですが、そのことで不利な点もないわけではありません。 表面的には絨毯に近いところもあり、上に重たい物を長期間置いておくとそこだけ 凹んだり跡が付いてしまうこともあります。 長年押し付けられていれば絨毯だってその部分が潰れてしまいますが、畳にも同じ ような現象が見られるので注意しなければなりません。 とはいえどう注意すればいいのか、と聞かれても返答には困ってしまいます。 重たい家具を設置しなければいいのですがそんなわけにはいきませんし、タンスや テーブル、本棚などの大きな家具を持ち込まないという解決法は現実的ではありません。 そんな制限のされた部屋は生活する上で不便ですし、跡がついてもいいから家具を 使った方が満足度の高い生活を送れるでしょう。 頻繁に模様替えをして重たい物を長期間同じ場所に置かなければ目立った跡は残り ませんので、これも対策のひとつにはなりますが少し面倒です。

なので一応の解決法として、付いてしまった痕跡を消す方法を紹介します。 実は熱により元の形状に復元することができますから熱湯に浸した雑巾を使いましょう。 熱々の雑巾をよく絞り、消したい痕跡の上に誰にも気付かれないよう置きます。 それだけの熱ではまだまだ不十分なので、さらにその上から熱したアイロンでプレス してトドメを刺してやりましょう。 この数分の作業の後、自然乾燥する頃には痕跡はあらかた消去されています。 直接アイロンをかけたほうが熱が伝わりやすそうですが、水分を浸透させてからで ないと畳を傷めてしまいますし、焦げてしまう危険もあるので絶対に熱湯で湿らせた 雑巾を間に挟んで行うようにして下さい。 ただ熱しただけでは上手く復元しませんし、火災の原因にもなりかねません。 湿らせておくことも復元しやすさに関係があるのです。 また畳は水分を吸収しやすい材質でできているので、色の付いた液体やソースを こぼすとシミになりやすいという弱点もあります。

朝食のトマトジュースをドバッと零してしまえば畳は真っ赤に染まってしまいますし、 お裁縫をしていてうっかり針を人差し指に深々と突き立ててしまったら流れ出る 血潮で畳は真紅になるでしょうし、プラモデルやフィギュアに着色しようとして レッド系の塗料を扱っている時にくしゃみをして瓶をひっくり返してしまったら、 やはりその塗料が畳に染み込んで鮮やかな色に染まってしまいます。 「プラモデルには興味がない、せいぜいひな人形までかな」という人なら最後の トラブルとは無縁でしょうが、とにかく染みになりやすいのです。 フローリングの床ならトマトジュースでもコーラでも簡単には染みにはなりませんが、 水分を即座に吸い込んでしまう材質の畳は注意が必要なのです。 素早く雑巾で拭き取れるようお部屋の中に待機させておきましょう。

あとはダニが発生しやすいのも気をつけなければならない点でしょうか。 空気中の湿気を吸い込んでくれるのでお部屋の中は快適になりますが、畳の内部は その分ダニの発生しやすい環境となるため、適度に換気が求められます。 ジメジメしたところにダニは生息したがりますから、定期的にお部屋の空気を換気 したり室内を清掃したり、たまには畳を持ち上げて裏面なんかも新鮮な空気に触れ させることでダニ対策をしましょう。 「乾燥させるぞー!」と熱風を吹き当てたりはしなくてもいいので、晴れた日に お布団を干す要領で畳も干してあげれば大喜びです。 ですが軽くはありませんし頻繁に屋外に運んで日光に当てるのは大変でしょうから、 軽く持ち上げて風を当ててやるだけでも充分に効果はあります。 お布団ほどの頻度で天日干しをする体力があればやってもらいたいですが、そこまで しなくてもダニ対策をすることは可能です。 定期的な換気だけでもいいから実践して下さい、しなければダニが発生して辛い思いを することになるかもしれません。